歯科治療には、「虫歯や歯周病を治す」「しっかり噛めるようにする」といった機能回復を目的とした治療に加え、歯の形や色、歯並びを整えて見た目を美しくするという審美的な側面があります。このように、健康を土台としながらさらに「美しさ」を追求する歯科治療を審美歯科と呼びます。

主な審美歯科治療

ホワイトニング

飲食物や喫煙、加齢による着色・黄ばみを薬剤で分解し、歯を自然な白さへ近づけます。

審美補綴（被せ物・詰め物）

セラミックなどの審美素材で形や色を整え、自然で美しい口元を再現します。

歯肉の黒ずみ除去

メラニンなどで黒ずんだ歯茎をピンク色へと回復させ、健康的な印象に整えます。

セラミックの種類と特徴

審美歯科で重要な役割を果たすのが「クラウン（被せ物）」です。特にセラミック素材は自然な透明感と変色のしにくさが特長です。

オールセラミッククラウン

• メリット：金属不使用で自然な色合い／長期で変色しにくい／金属アレルギーの心配が少ない／歯茎が黒ずまない
• デメリット：保険外で高額／金属に比べ割れやすい場合がある／歯を削る量が比較的多い

メタルボンドクラウン

• メリット：金属フレーム＋セラミックで強度・耐久性に優れる／変色しにくい
• デメリット：内側の金属の影響で歯茎が黒ずむことがある／金属アレルギーのリスク

ハイブリッドセラミッククラウン

• メリット：セラミック＋レジンで割れにくさと柔軟性を両立／金属不使用
• デメリット：レジンを含むため変色しやすい／審美性・耐久性は純セラミックに劣る

ジルコニアクラウン

• メリット：非常に高い強度・耐久性／白く透明感がある／金属アレルギーの心配が少ない／歯茎が黒ずまない
• デメリット：歯を削る量がやや多い／調整・研磨が難しい／単体では従来セラミックより審美性が劣る場合がある

ジルコニアセラミッククラウン

• メリット：内側ジルコニアの強度＋外側セラミックの美しさを両立／長期的に安定した審美性
• デメリット：保険外で高額／歯を削る量がやや多い／製作・調整に高度な技術が必要

まとめ

審美歯科は見た目を美しくするだけでなく、機能性・健康面にも配慮しながら「美しく健康な歯」を実現する治療です。お口の状態やご希望に合わせ、最適な方法をご提案します。