術前


概要
- 初診:2005年
- 主訴:上の前歯がふらふら動く、上下ともに奥歯がないので、入れ歯以外の固定式のものを入れてほしい。
- 治療方針:上顎はインプラント8本による固定式14本ブリッジの装着。下顎は右欠損部にインプラント2本、左欠損部にインプラント3本、右下5~左下3番まで連結修復物の装着
- 治療期間:1年
- 費用:
治療手順
- まず上下クリーニングと歯磨き指導を行い、インプラントの術前検査(レントゲン検査、CT検査、模型検査)とカウンセリングを行う。
- ステントを利用し右下の6番・7番と左下4番・6番・7番に5本インプラントを埋入する。
- 1ヶ月後、ステントを利用し右上3番・6番・7番、左上5番・6番・7番にオステオトームにてソケットリフトを行い、インプラントを6本埋入する。
- 4ヵ月後、上下ともに仮歯を装着する。
- 右下5番から左下3番まで根管治療と歯周治療を行う。
- 右上1番・2番、左上1番・4番を抜歯し、同時に右上2番と左上3番にインプラントを2本埋入する。(人工骨移植併用)
- 6ヵ月後、上下共に最終修復物(セラミック)をセットする。
- 3か月メンテナンスに移行
術後


術後8年後


レントゲン、CTによる画像からも視診も全く問題がありません。ちゃんと自己管理できていることがはっきりとわかります。
術後19年経過後


上顎のインプラントとブリッジは全く問題ありませんでした。しかし、4年程前に右下5番の歯根が破折し、歯茎が腫れてきました。コロナ禍であったこともあり、連結の被せものは外さず、歯根のみ抜根。さらに下顎前歯の歯茎が痩せきました。虫歯ではないので、見栄えが気にならなければこのままメンテナンスで経過観察する予定です。
このケースは、カリエスタイフ(虫歯タイプ)なので、更なるンプラントの長期予後はある程度約束されていると言えます。寧ろ、今後、加齢や投薬の影響などにより唾液のの分泌が抑制されれたり、噛みしめ等の習癖が酷かったりすると、神経のない残存歯にトラブルが生じてくることは容易に想像できます。
そのため、50代以降のカリエスタイプの方には、難しい残存歯の保存治療よりか虫歯にならないインプラント治療の方がはるかに予後が見込めることを理解していただきたいと常々思っています。こういうことが言えるのも、数多くの長期経過ケース(15年以上)を持っているからです。必ずしも保存治療が良いといえないと断言しておきます。
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