【根管治療症例】 左下一番奥の歯のべろ側の歯茎が腫れてきた。癌じゃないかと心配/左下7番/#43

この症例は、40代男性の左下大臼歯に対する根管治療例です。初診時、患者様は歯肉腫脹を訴え、癌の不安を訴えていました。適切な根管治療を行ったことにより症状は改善し、その後現在に至るまで11年間という長期間経過観察しており、良好な状態を維持しています。11年間歯を抜かずに保存できたことは、根管治療の効果と歯の保存の可能性を示す貴重な症例となっています。

術前

術前パノラマレントゲン写真

概要

  • 初診:2012年、40代男性
  • 主訴:左下一番奥の歯のべろ側の歯茎が腫れてきた。癌じゃないかと心配
  • パノラマ術前所見―向かって右下一番奥の歯(左下7番)の根っこの先が黒くなっている骨透過像を呈する。
  • 診断:歯髄壊疽による根尖性歯周炎、クラックの疑い。
  • 治療法:根っこの治療(歯内療法)。
  • 使用した機器&材料:拡大鏡、超音波、ニッケルチタンファイルシステム、ラバーなしの簡易防湿、ネオクリーナー、RCプレップ、炭酸ガスレーザー、水酸化カルシウム、ガットパーチャー
  • 治療期間:3か月(経過観察こみ)
  • 費用:保険の歯内療法費+自費の被せものゴールドクラウン(当時6万円+税、仮歯とコアこみ)

術前CT前頭断

根っこの先の黒い骨透過像(吸収像)をはっきりと認め、特に舌側が著しいです。そのため、舌側の歯茎が腫れてきたと考えられます。一般的には、抜歯と診断されるでしょう。

術前CT矢状断

近遠心的(手間から奥に向かって)に、化膿による根っこの先の大きな黒い骨透過像を認めます。手前の左下6番の奥の根っこ(遠心根)の先も化膿していることが分かります。

術後11年後

パノラマレントゲン写真

11年後、当時の主訴であった左下一番奥(7番)の根っこの先の黒くなっている部分は白く改善されているように見えます。勿論、患者さんも以前の不都合は訴えていません。本当に改善しているかどうかは顎骨の内部(海綿骨の状態)を把握できる歯科用CTによる精査でしか正確に判断することはできません。そのため、歯科医院によって、診断の見解や術後の結果が全く違うと断言しておきましょう。

症状は訴えていなかった右上2番(向かって左上2番目)、左下6番(向かって右下奥から2番目)の根っこの先の化膿(透過像)も再根っこの治療で、改善しているように見えます。

CT画像前頭断

舌側の骨吸収像が改善され、固い皮質骨(顎骨の表層の骨)が形成していることがはっきりと分かります。また、根っこの先の透過像も改善されています。

CT画像矢状断

近遠心的(手間から奥に向かって)に、化膿による根っこの先の大きな黒い骨透過像が改善し、白い骨不透過像を呈していることがはっきりと認められます。すなわち寛解を確認できます。

関連記事

  1. 右上の前歯(1番)の歯ぐきが腫れてきた 根管治療と歯根端切除…

  2. 根管治療 右下7番 #42

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


PAGE TOP